Taiwan 4 days trip with Akarette lenses

α7s に Akarette 用レンズ 3本を携え台湾旅行。


1900年代中盤に制作・販売されていた、ドイツ製カメラ Akarette / アカレッテ(名称は後に Akarelle / アカレッレに変更されたらしい)。レンズは交換式だがピント合わせは目測。のぞき窓は二つあるが、なかなか珍しい 50mm / 75mm 切替式のファインダー。とはいえ今回はボディは持っていかず、3D プリンタで作成したアダプタをフォーカシングヘリコイド付き Leica-L to SONY-E マウントアダプタを介し、α7s に装着して撮影。

交換式レンズは Schneider / シュナイダー製と、Isco Göttingen / イスコ・ゴッチンゲン、また数は少ないが Staeble / シュテーブル 製のレンズも存在している。
今回持ち出したのは Schneider Xenagon 35mm/3.5、Schneider Xenar 45mm/2.8、Schneider Xenon 50mm/2 の三本と、Akarette 用レンズではないが、コシナ製 Voigtnalder Heliar 40mm/2.8 も持っていった。

毎度悩ましい旅行に持っていくレンズ選び。

普段撮る写真の根底には、レンズの特性を遺憾なく発揮すべく開放至上主義のようなところがあり、『撮る写真はボケボケでどこで撮影しているなどはわからない』ということが多々ある。
写真撮影は、『美しいだとか特異だとかドラスティックだとかドラマティックだとかそれ自身が明白に持っている魅力を写し撮る写真』と、『なにもない日常から美やら奇異やらを見い出す写真』に二分されると思っており、自分が普段撮るのは後者、つまり場所も被写体もどこでも何でもよく、撮った写真がなんだか良さ気であれば良かったりする。
が、そんな事はいいつつも、常日頃訪れることができ撮影できるわけではない旅行時などは前者のような写真撮影も辞さないわけで、そうなると開放 F値 1.8 未満の大口径レンズのようなものばかりを持っていけば良いというわけでもなく、様々なシーンを写し撮るためのレンズ選びが必要となってくる。

3D プリンタとミラーレスフルサイズ一眼の購入以来、コンパクトカメラやマウント不詳のレンズなどは、各レンズのフランジバックやビス穴などに合わせたアダプタを 3D プリンタで作成することで、ほぼ全てのマウントなし・不明レンズが利用できるようになった。アダプタを作成する際は、複雑な E-Mount などにはせず、M42 か L39 マウントレンズとして扱えるようにアダプタを作成し、更に、ピント機構を持たないレンズでも、フォーカシング・ヘリコイドを持つ M42 to E-Mount アダプタか、L39 to E-Mount アダプタを介することで、概ね 80cm 前後から無限遠まで利用できるようになる。また、ヘリコイド付きアダプタを利用することで、最短撮影距離が長いレンジファインダーカメラ用レンズなども、一眼レフ用レンズと同等レベルの近接撮影が可能となる。あの素晴らしきかな日本の光学・カメラメーカー COSINA からも、L39 to E-Mount アダプタの利用が前提の、フォーカシング機構を持たない Voigtlander Heliar 40/2.8 が発売されており、今回の旅行でも Akarette 用レンズと共に持っていくことになった。

今や数十本存在する自作 L39 マウントレンズには、もともとシリーズ・システム化されて複数の交換レンズが存在するものがある。AF や複雑な機構を持たないシンプルなレンズ群は非常に小型で軽量… と言いたい所だが金属製なので重さに関してはずっしり。とはいえ、それらのシリーズ化されているレンズ群は、フォーカシングヘリコイドはアダプタに集約できることもあり、広角から望遠まで揃った非常にコンパクトなシステムとなり、旅行時などには多大な恩恵がある。今回は SONY α7s 一台と L39 to E-Mount アダプタ、それと Akarette 用レンズ 3本 + Voigtlander Heliar 40mm F2.8 を持っていったわけだが、驚くほどコンパクトに収まった。

Akarette用レンズ、Xenon 1:2/50、Xenar 1:2.8/45、Xenagon 1:3.5/35
コンパクトな Akarette用レンズ、Xenon 1:2/50、Xenar 1:2.8/45、Xenagon 1:3.5/35