五家荘を散策3:緒方家、左座家

樅木の吊橋を後にし、次は緒方家へ向かう。

壇ノ浦の戦いに敗れ、源氏の追跡を逃れるために入水した平家。
実は死を逃れ、四国・大分を経て、ここ五家荘に辿り着く。性を緒方へと変え、その子孫が住んでいたのがここ緒方家。

五家荘 緒方家
五家荘 緒方家。レンズはソビエト製の ジュピター 12 2.8/3.5

Taken lens: Юпитер-12 (Jupiter-12) 2.8/3.5 ©PULP.photo, All Rights Reserved.

入場料は 200 円。
施設の人に代金を払い、しばし談話。施設を案内してあげようかと声をかけてくれたので、是非ともと案内をしてもらう。

上に書いたような、平家の子孫が訪れ緒方家を名乗り五家荘に居を構えた話などをしつつ、建物内の追手を逃れるための隠し部屋、囲炉裏、茅葺屋根などの案内をしてくれた。
茅葺屋根というのは、囲炉裏で炊いた煙で燻された丈夫になるのだそうで、緒方家ではあまり火を焚かないために、茅葺屋根の交換時期はやや早くなるのだそうだ。

五家荘 緒方家
五家荘 緒方家は茅葺屋根。あまり囲炉裏で火を炊いていないので白く綺麗な状態。ただこれだと持ちは悪いらしい。

Taken lens: Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f:1,9/50mm ©PULP.photo, All Rights Reserved.

五家荘 緒方家
五家荘 緒方家

Taken lens: Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f:1,9/50mm ©PULP.photo, All Rights Reserved.

色々な話をしてくれたが、中にはネガティブな話も…。五家荘は、秘境が故に食材に恵まれなかったせいか、かつては食事が全く美味しくなかったとか… これは、かなり以前の話だが五家荘の調査の為に訪れた役人が書いた調書にも記述が残っているらしい。
あとは、平家の落人が落ち延びた点に関しても、やや懐疑的なのかな? という印象も受けた。

『五家荘平家の里』には家系図も残っているということで、その展示もあったのだが、やはり 1,000 年近く前から始まる話では、その信憑性に疑念を抱くことも… という事も想像できなくはないが。

五家荘 緒方家
五家荘 緒方家の玄関とお勝手口。レンズは シュナイダー クセノン 1.9/50mm

Taken lens: Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f:1,9/50mm ©PULP.photo, All Rights Reserved.

緒方家をあとに、次は車で十数分の『左座家(そうざけ)』に移動。入場料は 200 円。ここでも、やや年配の管理者の方が案内を買って出てくれた。
これまで殆ど平家の話ばかりだったが、実は五家荘には菅原家にまつわる伝説もある。平家の子孫が緒方家を名乗り五家荘に落ち延びるより以前に、藤原家との確執の末に菅原道真の末裔が五家荘仁田尾に村を開いたとされている。
ここ左座家は 200 年前程に建造されたもの。ちなみに先の緒方家は約 300 年前の建造。

五家荘 左座家
五家荘 左座家。写真右に少し見えるのは『左座』という民宿。

Taken lens: Юпитер-12 (Jupiter-12) 2.8/3.5 ©PULP.photo, All Rights Reserved.

ところで、五家荘に来てからというものの、殆ど人に出会っていない。
もともとそれほど有名な観光地ではないということもあるだろうが、どこに行っても貸し切り状態。思わず土地の行く末が心配にもなってしまそうにもなるが… まあそれは於いておいて『ゆっくしたい欲』が全面に出た結果の五家荘訪問なので、良い感じで気が抜けていく感じがする。

菅原家の子孫も、平清盛の子孫同様に追手から逃げてきた為なのか、緒方家と同様に隠し部屋・扉が。床の間?には、古文書や鎧や着物などの展示も一部あった。

五家荘 左座家
五家荘 左座家

Taken lens: Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f:1,9/50mm ©PULP.photo, All Rights Reserved.

五家荘 左座家
五家荘 左座家。ちゃんと撮れていないが、神棚を収める為に天井を切り欠く形で梁が迂回している

Taken lens: Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f:1,9/50mm ©PULP.photo, All Rights Reserved.

五家荘 左座家
五家荘 左座家。緒方家同様茅葺屋根

Taken lens: Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f:1,9/50mm ©PULP.photo, All Rights Reserved.

このあたりから、どうも腰に鈍い痛みが起こる。
最初のうちは、こんなこともあるだろうと気にもとめなかったが、痛みは徐々に増すばかり。
心当たりはと言えば… 10kg 程度のバックパックと、百は超えたであろうレンズも壊れる道路のヘアピン、あたりだろうか… これは心当たりがありすぎるな。