ウイーン美術史美術館
本丸の "ロモグラフィー・スペシャル・ペッツバール・トリップ" は、いよいよ明日。
本日はホテルの東方にあるウイーン美術史美術館(Krusthistorisches Museum)を訪ねる。
規模はそれほど大きくないものの、フェルメールやカラヴァッジオ、ラファエロの傑作がある。
ウイーンに来て三日、ようやく青空が出てきて写真の "青" がとても映える。
考えてみると、ヨーロッパに行くのは、大抵フライトが安い寒い時期なので、これまでに撮ったヨーロッパの写真は曇りが多い。今回は "故あって" の5月のヨーロッパだが、今回のような理由でもなければ、自分の撮るヨーロッパの写真は、殆ど曇の下だったかもしれない。
この美術館は、展示物も当然であるが、空間そのものが美しさが素晴らしい。採光面の気配り、壁面・柱・床のぬかりなさには恐れ入るばかり。
エントランスの彫刻に当たる環境光がもたらす陰影と艶やかさは、彫刻のリアリティを飛躍させる。
写真の良し悪しに関して、"構図"が寄与する部分は決して少なくない事にあまり異論はないと思うが、絵画を見る際に"構図"に主眼を置くことで、さらなる楽しみを見出すことができるのではないかと思う。
絵画を見ている最中に、もしその "絵という一つの空間" の中からより良い構図を見出すことができたならば、自身の持つカメラで、新たな絵としておもむろに切り出してしまうのだ。
が、実際には、傑作と呼ばれる絵であればあるほど、切り抜く余地がない。
そんな"一方的な参加"などをしつつ観る絵画は、ふと気づくと自身のお気に入りになっていたりいなかったり。