ウイーン散策 2
ホテルから少し東、Karlsplatz(カールスプラッツ)という駅から南に向かう Linke Wienzeile と Rechte Wienzeile という二つの通り、その中洲部分には Naschmarkt(ナッシュマルクト)市場があり、土曜には広場で蚤の市が開催される。
道中、マリアヒルファーと呼ばれる、小洒落た雑貨・衣糧店が多いショッピング街を通りつつ、市場へ向かう。
大きな水族館もあるあたり、ウイーンの繁華街・メインショッピングストリートと言ったところか。
ほどなくして蚤の市に到着。
今回、なぜ蚤の市に来たのかと言われれば、それは当然カメラやレンズを手にいれる為ということになる。
到着してまず、「あ、なんか上野の蚤の市に似てる」と思った、つまり、ものの扱いとかはそんなに気を使っていなく、良い状態のものはあまりなさそうだ、という(カメラ・レンズの話)。
とはいえ、掘り出し物があるかもしれないと、順番にお店を見ていると、「すっぱー!すっぱー!すっぱー!」と呼び込みをしているおじさんがおり、見てみるとカメラがいくつかあった。
大判以上のベローズカメラがいくつかあり、だがやはりというか、ほぼ全てのカメラの金属部分が錆びてしまっている。
一台、Voigtlander / Heliar 付きのフォールディングカメラがあり、動作を色々チェックしていると、
「すっぱー!すっぱー!」
おじさんが近づいてきた。
少し悩んで、いくらか聞くと、
英語はダメらしく、「すっぱー!すっぱー!」といいながら、紙とペンを出してきた。
そう。これはつまり、すっぱーおじさんからの、私に対する挑戦である。
「すっぱー!すっぱー!すっぱー!」
おじさんからの多大なプレッシャーがかかる中、さらに少し悩む。
年老いたジョセフのインドでの金額交渉術を思い起こし、€20 と書く。
ここで、はじめておじさんが「すっぱー」と発するのを止め、今度はすっぱーおじさんが紙に金額を記入する。
金額交渉が続き、€50 くらいになった時、レンズは綺麗だし買おうかなと思い出した最中、突如、現地の人と思しき中年の女性が現れ、すごい剣幕ですっぱーおじさんに畳み掛け出した。
ドイツ語なので、何を話しているのかはわからないが、どうも歓迎されていない様子。
人のよさそうなおじさんの表情が曇りがちになるが、気にせず女性はやや大きな声でまくし立てる。
そんな状況を見ていたら、なにやら購買意欲がなくなってしまい、結果的に購入はしなかった。
すっぱーおじさんとの戦いを終え、市場ではチーズや肉が入った少し脂っぽいパンのようなものをテイクアウトし、食べながら散策。市場の食材はとにかく多岐にわたり、欲しい食材はほぼなんでも揃うのではないかと思う。
何店舗かピクルスを売っているお店があり、これならホテルで食べられるなと思い買って帰った。